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『Under the Rose』(アンダー・ザ・ローズ)は船戸明里による日本の漫画作品。関連作品である『Honey Rose』についても本項で取り扱う。 『Under the Rose』を略して「あんだろ」とも呼ばれる。本作は、19世紀の英国を舞台に、ある貴族の家庭の物語を繊細に描き出している。物語は数章に分かれ、それぞれ主人公を異にする。雑誌掲載時には話数や各話のタイトルは記載されず、単行本収録時に付される。また、雑誌掲載時には扉絵としてイラストがあるが、単行本には収録されない。単行本の巻末にはコメディタッチの「おまけまんが」が収録されており、これは「読者のために間口を広げる目的」で描かれている。 制作のきっかけとして作者である船戸明里の語るところによれば、エンターブレインの漫画雑誌「ファミ通ブロス」の編集者からゲームのコミカライズやオリジナル作品の制作を持ちかけられ、以前から温めていた話を持ち出したところ採用となり、2001年より連載されたのが『Honey Rose』である。この連載は好評を得て2002年に完結したが、「ファミ通ブロス」が休刊したため、担当編集者とともに続編の企画を幻冬舎に持ち込み、創刊準備中であった幻冬舎コミックスの漫画雑誌「ミステリービィストリート」で『Under the Rose』が連載されることとなった。その後、掲載誌は数回変わっている。 『Honey Rose』(略称「はにろ」)は、『Under the Rose』の「冬の物語」「春の賛歌」のその後の話になるが、『Under the Rose』の物語の一部であるため、単行本化される際には『Under the Rose』の続きとして刊行するという構想を持っていると作者は語っている(2006年当時)。 本作の着想源としては、「森は生きている」、尾崎豊、ウェルギリウスの「農耕詩」、「アルプスの少女ハイジ」などが挙げられている。19世紀英国を舞台にしているが、当時もし森薫の『エマ』が先に連載されていたら、時代と国の設定は変えていたと作者は述べている。作中にはシェイクスピアや『ジェーン・エア』、聖書の一節などがしばしば引用される。 == あらすじ == === 冬の物語 === 没落した侯爵家の娘グレースが、ロウランド伯爵邸で謎の死を遂げた。その1か月後、グレースの息子ライナスとロレンスが、ロウランド伯爵アーサーに息子として引き取られる時点から物語は始まる。ライナスは母の死に疑念を抱き、反抗的な態度で周囲との軋轢を生みながら母の死の真相を追うが、徐々に華やかだったグレースの心の闇を知っていく。グレースを絶望の淵に追いやったのは、庶子として自分を産んだ母に対する頑なな自らの態度だったのかもしれないと気づいたライナスは、贖罪のために生きる決心をし、家を出て牧師になるための寄宿学校に向かう場面で物語は終わる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「Under the Rose」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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